手を上げてチクる岡田に眉を潜めていると、ふと視線に気づいた。

それは、小林からの視線……


振り向いた先で、オレ達のやり取りを見ていた様子の小林がクスクスと笑った。

小林の笑顔に、オレも思わず笑顔になったけど……同時に変な感情が生まれた。


オレは、出来ることなら小林にオレ以外の女友達が出来ればなって思ってる。

友達がオレだけなんて、あまりに可哀想だから。

小林が教室でも普通にしてればいいのにって……本気で思ってたのに。


なんでこんな事思うんだろ。


オレ、今、小林に笑うなって思った。

オレ以外にそんな顔見せんなよって……


なんだ、これ。

……独占欲?


マジ?マジで独占欲?

オレが……?


思い当たった感情に頭を抱えて机に伏せると、勘違いした岡田が声をかけてきた。


「壱……そんなに反省してんならもういいよ。

オレも悪かったよ。おまえにはまだこの絵の素晴らしさが……」


隣で語り出した岡田をそのままに、机にべったりと抱きつく。


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