「うーん……だって澤田くんっていつも女の子に追いかけられてるし、見てると曖昧な付き合いしかしないみたいだから」

「追いかけられてるのはオレのせいじゃねぇよ。

なんか勝手に……つってもはっきりしねぇオレがいけないんだろうけど」


隣でパンを頬張る小林に半分意識を持っていかれながらの自己弁護。

別に弁護って訳でもないんだけど……ここはいい訳しとかなくちゃ後々マズイだろ。

マイナスイメージすぎる。


「曖昧な付き合いは……本気で好きだって思える奴がいなかったからできたんだ。

……けど、もうしない」

「ふぅん」


……おいこら。「なんで?」とか聞け。


「でもなんで急に?」


あれ。声に出てたんかな。まぁ、いい。


「なんでって……好きな奴ができたから。……本気で」


言いながら、ちらっと小林を見る。

小林はキョトンとした表情をオレに向けて……それから柔らかく微笑んだ。


「そうなんだぁ。澤田くん好きな人いるんだ。

あたしでよかったら相談に乗るから言ってね」

「……おう」


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