「友達になっていつも傍にいてやる。

……小林が暴走しそうになったら、オレが止めてやる。何度でも。


その代わり、オレの前では……本当の小林でいろよ?

そしたら絶対にオレが小林を止めてやるから」



オレがこの時選んだ道は、間違ってはいなかった。

オレが小林の傍にいられる唯一の手段だったんだから。


だけど――――……

友達の関係が、こんなにもつらく苦しいものだったなんて……オレには理解できていなかったんだ。


高遠が好きな小林と、小林が好きなオレ。

簡単に想像は出来たのに。


それでも友達を選んだのは……それ以外に小林と一緒に居られる方法が見つからなかったから。

どうしても小林の笑顔を近くで見ていたかったから。


……―――― 小林が、好きだから。



友達上等。

最高の男友達になって、いつか小林を振り向かせてやる。


友達でなんか、終わらせない。



「うん……ありがとう。澤田くん」


小林の素直な笑顔に、オレも微笑んで見せる。


友達上等。

……でも狙うのは彼氏の位置。



この日から、オレのひどく険しい友達生活が始まった。

つらく苦しい友達生活が。


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