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あー……つらい。

つらい。つらい。つらい。


何がつらいって、失恋した相手が隣の席にいるのがつらい……


ため息をついてから、チラッと小林を盗み見ると、小林の横顔はなんだかすっきりしていて……その様子に、昨日高遠と上手くいったんだって事が分かった。


小林にとってはこれ以上ないくらいに幸せな事なのに……

失恋直後のオレの気持ちはそんな寛大じゃないらしく。


『よかったな』

その一言を言ってやれる自信がなかった。



昨日の自分を後悔したりはしてない。


けど……

まだ身体ん中に溶け込んだコーヒーは苦くて。


とりあえず凹んでない振りするのが精一杯だった。


…―――キーンコーン…


昼休みに入って隣を見るともうそこには小林の姿はなくて。

どこに行ったんだか気にはなったけど、もしかしたら高遠のとこかな、なんて、そんな事を考えてた。


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