恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~




「小林、それは古文の教師にする質問か?」


薄い苦笑いを浮かべる高遠も、いつもとは少し雰囲気が違った。

高遠も、いつも生徒に見せるような顔じゃなくて……ってゆうか、高遠が笑ったとこなんか初めて見たし。

超貴重だな。写メでも撮っとくか?

どうせ明日はメグミが怒って問い詰めてくるから、その時に見せて難を逃れるか。

メグミの事だから、きっと「え~!プレミアじゃん!」とかって騒いで今日の事は忘れるだろ。


そんな軽い思いに、手に持ったケータイの画面をカメラモードに切り替えた時――――……

オレは自分の耳を疑った。


こんなにも自分の耳を信じられなかったのは初めてかもしれない。


だって……や、この状況からしてよく考えてみればそうだけど……

だけど、だけど――――……





「古文の先生じゃなくて、恋人の先生に聞いてるの」




小林の照れたようなはにかんだ笑顔が、オレの胸を強く打つ。



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