え? と聞き返す間もなく。
「………っ」
私の唇は、トラによってふさがれた。
驚きのあまり、身じろぎひとつできない。
唇は触れ合ったままだ。
息もできない。
それなのに、トラの唇は離れていかない。
呼吸を止めて、全身を硬直させて、肩を縮めて、私はただ時が過ぎるのを待つ。
「…………」
永遠とも思えるほどの時間が過ぎたあと、トラはゆっくりと唇を離した。
でも、顔は近づいたままだ。
長い睫毛にふちどられたきれいな形の瞳が、すぐ間近でじっと私を見つめている。
ずっと一緒に暮らしていたけど、こんなに近くでトラの顔を見たことはなかった。
そのせいなのか、自分でも信じられないくらいに、胸が早鐘をうっている。
「…………っくりしたあ」
沈黙にたえきれず、私はそんな場ちがいで間抜けな感想を口にした。
トラの目が小さく笑う。
「目は覚めましたか? 眠り姫」
またおどけたように言った。
私は「ばか」と睨むふりをする。
でも、本当は、トラの唇がふれたところが、残された感触が、気になってしかたがない。
ばくばくと心臓が鼓動する。
顔が、頬が、耳が、あつい。
私はすうっと息を吸った。
すこし心が落ち着いて、言葉が出せるようになる。
「………っ」
私の唇は、トラによってふさがれた。
驚きのあまり、身じろぎひとつできない。
唇は触れ合ったままだ。
息もできない。
それなのに、トラの唇は離れていかない。
呼吸を止めて、全身を硬直させて、肩を縮めて、私はただ時が過ぎるのを待つ。
「…………」
永遠とも思えるほどの時間が過ぎたあと、トラはゆっくりと唇を離した。
でも、顔は近づいたままだ。
長い睫毛にふちどられたきれいな形の瞳が、すぐ間近でじっと私を見つめている。
ずっと一緒に暮らしていたけど、こんなに近くでトラの顔を見たことはなかった。
そのせいなのか、自分でも信じられないくらいに、胸が早鐘をうっている。
「…………っくりしたあ」
沈黙にたえきれず、私はそんな場ちがいで間抜けな感想を口にした。
トラの目が小さく笑う。
「目は覚めましたか? 眠り姫」
またおどけたように言った。
私は「ばか」と睨むふりをする。
でも、本当は、トラの唇がふれたところが、残された感触が、気になってしかたがない。
ばくばくと心臓が鼓動する。
顔が、頬が、耳が、あつい。
私はすうっと息を吸った。
すこし心が落ち着いて、言葉が出せるようになる。



