おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―

「………そっか。行っちゃったんだ」



無意識にぽつりとつぶやいた。



ひさしぶりに独り言を言ったな、と頭のどこかで思って、

そうか、今までずっとトラと一緒にいたからか、と思った。



鏡の前に立ち、鏡の中の自分を見つめる。



起き抜けでぼさぼさの髪。


ここ最近の寝不足のせいか、腫れぼったい目。


かさついた唇。


寝乱れたパジャマのしわ。



「………不細工」



自嘲的につぶやいた。



こんなみっともない姿を、毎朝トラにさらしていたのか。



そういえば、前の彼氏と同棲していたころは、たとえ休日だったとしても、ちゃんと彼より早く起きて、

寝間着から部屋着に着替えて、メイクをしてから顔を合わせるようにしていた。


じゃないと、みっともない女だと嫌われてしまう、と思っていた。



でも、トラにたいしては、そんなことを思ったこともなかった。



別に恋人じゃないんだから、みっともない姿も見せられる、

と思っていたんだけど。