私たちは黒姫様の術により、アマテラス様のお屋敷に来ていた。

眠っている冬斗を見たアマテラス様は心底ほっとしたような顔つきで、すぐに部屋を用意して冬斗を布団に寝かせた。
そばには治癒ができる神をつけてくれて、その人によるとじき目を覚ますといっていた。



「…アマテラス、申し訳ない。

私の判断が、決断が遅かったのがいけないのだ。
お前にも、苦しい思いをさせた…本当にすまない」


そう謝る黒姫様にアマテラス様はどこか泣きそうになりながら、


「わたくしも、自分のことしか考えないで行動をしていたのです。

あなただけではないですよ」


と言っており、2人は微笑みあっていた。
アマテラス様に状況を説明すると冬斗であることにひどく驚いていたが、よかった、とつぶやいていた。


そして私たちがアマテラス様、黒姫様と共にそれについて話しているとき、廊下をすごい勢いで走ってくる音が聞こえた。


「いけません、まだ体が…!」

どこか聞き覚えのある声が耳に届いたと思うと、勢いよく部屋の襖が開く。

ハアハアと肩で息をしていたのは…まぎれもない、冬斗だった。



「…なんでだ…なんで俺が、俺がここにいる…!?

黒姫、説明してくれ…」


冬斗はそこまで言うと、まだ体力が回復してないからかふらり、と体が揺れる。

それを追いかけてきた治癒術士さんが支え、ゆっくり座らせた。


「申し訳ございません、目を開けた瞬間に走り出してしまって…」

「大丈夫ですよ。あなただけにお任せしてすみませんでしたね」

「いえ…私は、失礼いたします」