アマテラス様がクスリと笑う。

「そしてこれは元彰に、『もし身の危険を感じたら使いなさい』と渡していました。私の力がつまっている石が入っているのですよ。

元彰は秋奈が心配で、ツクヨミのもとへ行くときに渡してしまったようですけどね」


…アマテラス様、おそるべし。なんでもわかっちゃうんだ。
バツが悪そうな顔をした元彰は、ちょっと頭を下げた。


「いいのですよ、使い方に制限は与えませんでしたしね。

ただ、今、少し私の力をここに込めました。
きっと、冬斗にあったときに使うといいはずです。使うべき時は、この石が教えてくれるでしょう。持っていきなさい」


私は小袋を受け取ると、丁寧に裾の場所に入れた。


「では、冬斗を…冬を、お願いしますよ」


アマテラス様は一言何かつぶやくと、私たちを紫色の光が包む。
目を閉じる直前、アマテラス様が少し悲しそうな顔をしてこちらを見ているのがわかって…

私は、ごめんなさいとつぶやきたかったけれど、そのまえに光が私の視界を完全に支配していたのだった。