…春乃にはあっさりバレちゃったりするか。



ってことは、夏樹も冬斗も何と無く気付いてるんだろうな。

私が焦ってるってことに。




「うん、ありがとう、春乃」



「うん!

…そーいえば、今何時」



「今?えーっと…5時10分前だけど…」



「うっそ!え、もうそんな時間!?

秋奈、あたし戻んなきゃ!部屋に!」




突然立ち上がってあたふたし始める春乃。


…一体何があるんでしょう。




「あ、あのね!あたし最近、天界とか、普通の高校で習うようなやつとか勉強してるでしょ!?」




「あー…確かに。

大分頭良くなったって、前に冬斗が言ってたよ」



「え、本当!嬉しい!

…じゃなくて!


あたし、元彰に習ってるの!」




…元彰って。


冬斗の…付き人、だよね。




「…私、あの人苦手かも」



「え、なんでー?
すっごくいい人なのにー!頭もいいし!

あ、それでね!今日は5時からの予定だったんだ!
準備もしなきゃいけないし、元彰の部屋にも行かなきゃいけないし…


…ってことで、行ってきます!」





そして春乃は、瞬きする間もないほど速く私の部屋を出ていった。



…動きが俊敏すぎるんじゃありませんかね。