雪見月

それは当たり前で、普通はそうして、俺だってそうしてきて、



何を今更。


勝手に期待して勝手に失望した、それだけ。


今頃になって現実を意識して、悔しくて、悲しくて、寂しくて。

自分だって同列なのが嫌で。


なんて薄っぺらい。


嫌悪感が倍増する。


ほんと、気持ち…悪、








「すみません、あの」


自己嫌悪に陥る俺の思考を遮って、詩的な、鈴音のように澄んだ声が聞こえた。