一通り食べ終わり、お水を飲んで時計を見たら、まだ時間に余裕があったので、アイスでも買おうか、という話になった。


百円の冷蔵コーナーからそれぞれ選ぶ。


わたしはちょっとお高いカップアイスにした。


そうちゃんは濃いチョコレートアイスバー。噛むとものすごい音がする、固めのアイスだ。


「アイス交換し」

「あ、ごめん食べちゃった」


振り向いたそうちゃんに木匙を見せたら、大げさなくらい愕然とした顔をするものだから、思わず噴き出してしまった。


「そんな恨めしそうにしないでよ。いる?」

「いいの?」

「今さら気にしない」


しゃく、とすくって差し出すと、微妙な表情。


「それもちょっと複雑なんだけど」

「だって散々さっきもやったし。そうちゃんだし」


さっきの食べさせ合いは、多分一般的に言うと、あーん、とかこう、そんな感じだと思う。


「…………それも微妙なんだけど」


えええ、と渋面になって、でもしっかりアイスは食べたそうちゃんに、照れて固まる舌を頑張って動かした。


「違うからね」

「何が」


そうちゃんの目を見る。


「わたし、そうちゃん以外と回し飲みとか食べさせ合いとかしないからね。女子でもお母さんでも嫌だからね」

「ふーん?」

「……もうちょっと反応してよ」


せっかく頑張ったのに、わたしが馬鹿みたいじゃないか。


「……俺も美里以外としたことないししたくない」

「…………ならばよし」