「昨日は急に帰ってごめんな」


「ううん、大丈夫だよ」


あの後ちゃんとあたしは自分で自分を慰めたから。


そんな言葉を飲み込み、笑顔を浮かべる。


「今日は夕飯まで一緒にいられるから」


「本当!?」


あたしは嬉しくなって飛び跳ねる。


「あぁ。今日は家に両親がいるから、希彩の心配はないからね」


そう言いほほ笑む颯。


やっぱりそうか。


あたしに悪いと言いながら、結局話の中心には希彩ちゃんがいる。


「今日はどこか遊びに出ない?」


あたしは気を取り直して颯にそう聞いた。


「ん? いいね。どこに行きたい?」


「先月オープンした雑貨屋さんは?」


「あぁ。あそこか。前に希彩と一緒にいったけど、あまり楽しくなかったぞ? 他の場所にしよう」


「……そうなんだ」