ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜




絵留は琴美とふたりで、何かを囁き合って、クスクスと笑っている。


ワガママを通して申し訳ないとは全く思っていないみたい。

それどころか、自分の思い通りに事が運んで喜んでいるように見える。


また元の仲良し4人組に戻りたいという気持ちは心にあるけれど、それが一回り小さくしぼんだ気がしていた。


絵留って、嫌な子……。

そうだ、絵留がいなければ、琴美はこっちに来るよね?

私と梨沙と琴美の3人で、楽しい毎日が過ごせるよね?


そんな黒い想いがチラリと頭を掠めた時、記憶の中からブクブク、ボコボコボコという音が聞こえた気がした。


ゾクリと肌が粟立ち、両手で自分の体を抱きしめた。


「霞、どしたの?」


「あ……なんか、寒い気がして」


「え、今夏だよ? めっちゃ暑いよ」


「そうだよね、あはは……」



梨沙に笑って見せながら、背中に冷や汗が伝うのを感じていた。


やだ……絵留がいなければなんて、何考えてるのよ、私……。


絵留は嫌な面もあるけど、友達だよ?

1年生の時から仲良くしてきた、大事な友達のはずなんだよーーーー。