その透明な雫に、私の胸がズキッと痛んだ。
梨沙のせいじゃないんだよ。
それは、ナニカをこの世に生み出して、飯塚先輩なんて消えちゃえと願った私のせい……とは思いたくないけど……。
私のせいにされたら困るので、梨沙にフォローの言葉は掛けてあげられなかった。
絵留と琴美は、慌てて梨沙の考えを正そうと口々に言う。
「梨沙まで、何言ってんの?
ナニカなんているはずないって、霞の嘘に決まってるって、この前まで話していたじゃない!」
「あのね梨沙、飯塚先輩を殺した犯人は捕まってるんだよ?
ナニカじゃなくて、バレー部の男の先輩2人が……」
何とか梨沙を取り戻そうと説得する2人だけど、捕まったバレー部の先輩たちのことを口にしたのは逆効果だったみたい。
梨沙がさっきよりも大きな声で、絵留たちに食ってかかる。
「ひどいこと言わないで!
先輩たちが飯塚先輩を殺すわけないじゃない!
すっごく仲よかったし、後輩想いで頼りになる素敵な先輩たちなんだよ?
先輩たちのこと、何にも知らないくせに、犯人扱いしないでよ!
飯塚先輩はナニカに殺されたの。絶対そうに決まってるんだから‼︎」


