ナニカの出没条件と言うか、ナニカに殺される条件がわかった気がする。
でも、それを口にしたくなかった。
言ってしまえば、2人の死の責任を受け止めなくてはいけなくなりそうで、怖い……。
私の言葉を待っている敬太の瞳は、キラキラと輝いていた。
まるで、宝の鍵を見つけた少年漫画のヒーローのように。
敬太の真っ直ぐで純粋な所が好きだよ。
でも、今はその目に困る……。
「霞、どうした?
何でもいいから、思いついたことを言ってくれよ!」
どうやって話を逸らそうかと考えていたら、教室の前方のドアから担任の先生が入ってきた。
「こらー、お前ら席に着けー。
とっくにチャイムは鳴ってるぞー」
先生に叱られて、私の机を取り巻いていたクラスメイト達は慌てて自分の席に戻って行く。
敬太も渋々といった態度で離れていって、私はホッと息を吐き出した。
「欠席はないな?
今から進路調査表を配るぞ。
提出期限は1週間後。
進路指導室も活用して、よく考えるように」


