「無理に決まってんじゃん。
普段どこにいるのかもわかんねーし、会える確率低すぎるよ」
「会えたとしても、どうやって捕まえるんだ?
縄?網?動物用の罠でも仕掛けんのか?
相手は化けもんだぞ。捕まらねーって」
「もう会えないと思うし、会えない方が身のためだと思うよ?
捕まえるつもりが、捕まって食べられちゃうのがオチ」
敬太は捕まえるという発想が物凄くいい案だと思っていたらしく、みんなに寄ってたかって否定されて、とっても不満げ。
でも、もう会えないと言われたことついては、『そうかも』と納得する部分もあって、悔しそうに言った。
「確かに、飯塚先輩の時に見ちまったのは、奇跡的なことだよなー。
いつ、どこに出てくるのか予想が付かないんじゃ、待ち伏せとかできねーし」
敬太は腕組みしてブツブツ呟きながら、考え込んでいた。
「最初は霞が女子トイレで見て、2回目は桜井先生が帰る途中で、3回目が神社で飯塚先輩が……。
なぁ、みんな。共通点とかある?
出没条件みたいのが分かれば、また会えるし、捕まえられるかもしれないよな」


