その後は、案の定と言うか、すごく大変な目にあった。
私達は三人別々に隔離されて、事情を事細かに何度も繰り返し聴取された。
中々家に帰してくれなくて、本当に泣きそうだった。
心細さと疲労を感じながら警察に説明したことは、ほぼ真実。
言わなかったこともあるけど、少なくとも嘘は言ってない。
敬太が飯塚先輩たち男子バレー部の3年生3人に絡まれたところから、時系列で説明して、
梨沙に電話したこととか、真斗と一緒に敬太を助けるために稲荷神社に駆けつけたことを話した。
ただ……ナニカを目撃したことは話さなかった。
警察は絶対に信じないだろうと思ったから、死体を見て悲鳴を上げて、3人で逃げ出したと説明した。
私はそんな感じだけど敬太と真斗は、ナニカの仕業だって話したらしい。
『黒くてどろどろしたスライムみたいな奴が、お社の扉から出てきて、目と鼻と口が……』
そんな説明は、やっぱり警察に通じない。
『ふざけるな!』と叱られて、調書に書いてくれさえしなかったみたい。


