梨沙、大丈夫かな……。

心の中で心配しつつも、私は3人の輪の中には入らない。


わざと避けるように遠回りをして、自分の机に鞄を置きに行った。


私はもう友達じゃないから、話題に入ることもできないし、梨沙を励ますこともできないの。


一人ぼっちになってしまったことに少しは慣れてきたけど、やっぱり淋しい。


鞄を机の横に掛けてチラリと3人の方を見ると絵留と目が合ってしまい、直後に逸らされた。


あ……胸が痛い。

こういう小さなことに、まだ傷ついてしまう。

何とか元に戻れないかな……やっぱ無理かも……。


大きなため息を足元に向けて吐き出した時、
「霞、はよっ!」と後ろから頭をポンと叩かれた。


「敬太……おはよ」


「ん?なんか元気ないな。
大丈夫か?」


「うん、大丈夫。
敬太こそ、毎日忙しそうだけど大丈夫?」


「そーなんだよ。
昨日も行ったんだけど、やっぱダメだった。
ったく、あいつらは聞く耳持たねーから参るよな」