小さな嘘が大事になってしまったことと、敬太に迷惑をかけてしまったことに落ち込む私。


そんな私を見て敬太は、先生に怒られたせいで凹んでいるんだと勘違いして、はげましてくれる。



「霞、元気出せよ。
先生達は信じなくても、俺も真斗も絵留も信じてるからな」



男子はともかく、絵留はどうだろう?

どっちかと言うと、信じていないような顔に見えたけど……。


そう思ったところで、2ー5に帰り着いた。


掃除が終わって机が綺麗に整頓された教室内には、まだ数人の生徒が残っている。



「でさー、2組の奴らがナニカについて俺のとこに聞きに来たんだけどよ、実物見た訳じゃねーから……あっ!帰ってきた!

敬太、霞、どうだった?」



そう言って私達に手招きしているのは、敬太がクラスで一番仲良くしている真斗。


真斗の他にも男子は2人残っていて、女子は絵留と琴美が私達が戻るのを待っていてくれたみたい。


いつもの女子4人のメンバーの中で梨沙だけいないけど、梨沙は部活に入っているから仕方ない。


みんなの話の輪の中に、私と敬太も混ざる。

真斗に『どうだった?』と聞かれた敬太は、机に腰掛けてから、うんざりした顔で言った。