ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜




「梨沙、今何か光ったよ!」

「え、どこ?」

「あっちの方」


私たち4人は、並んで足を止めた。

梨沙は私の示した方向に懐中電灯を向ける。


すると遠くの方で、やっぱり何か小さな物が2つ、キラリと光を跳ね返してきた。


あれは……目を凝らして、やっと気づいた。

ぼんやりとした人影がふたつ、並んで立っているみたい。


それはきっと、絵留と敬太。

キラリと光った物は、絵留の両耳に輝くピアスだと思う。


ふたりとの距離は、まだ10メートル以上も離れていた。


見つけたことにホッとして、私たちは近づいていく。


「おーい!」


真斗が呼びかけると、ふたり分の人影もこっちを向いた。


良かった。やっと見つけた。
後は、絵留が敬太に話したイジメの話が嘘だということを、女子3人で説明して……。


見つけたことにホッとして、私たち4人は敬太と絵留に近づいていく。


ふたりは動かずに、私たちを待っていた。