梨沙も駆け寄ってきた。
「ヤッター! 琴美も早くこっちに付けばいいのにって思っていたから、嬉しい!
みんなで絵留をシメテやろーね」
私を真ん中にして3人で並んで歩き、私たちは顔を見合わせて頷き合った。
肝試しのコースを再びたどる私たち。
公衆トイレ前を過ぎ、キャンプ場の明かりが届かなくなった辺りで、今度は真斗が追いついてきた。
真斗の手には懐中電灯が2本握られている。
管理事務所で借りてきたと真斗は言った。
これはありがたい。
人を探すには、小さなスマホライトよりずっと頼りになる。
真斗と梨沙が懐中電灯を1本ずつ持って、私たち4人は前に進んだ。
「敬太ー、どこだー?」
「絵留ー、隠れてないで出ておいでよ!」
時々大声で呼びかけながら、暗闇の中を探して歩く。
レストハウスの周辺をもう一度探してみたが、ふたりは見つからない。
ボート乗り場では、「ボートの中って、寝そべっていたら隠れられるよね?」と琴美が言うから、何十隻も並んで置いてあるボートの中をひとつひとつ見て歩いた。
それでもふたりの痕跡すら見つからなくて、梨沙がいまいましげに舌打ちしていた。
「絵留のヤツ、どこに隠れてるのよ……」


