ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜




慌てて否定したけれど、私の不安とはまさにソレ。

いくら絵留でも、そこまで強引なことはしないよねと思う一方で、もしかしたらと考えてしまっていた。


とはいえ、いやらしいことを想像していたと気づかれるのは恥ずかしい。


全力で何度も否定する私がおかしかったのか、真斗は声を上げて笑いながら付け足した。


「大丈夫。敬太はそんなことするヤツじゃないから。
あいつが好きなら、信じてやって」


「え、ええと……うん」


私が敬太を好きだということは、真斗にバレている。

それは分かっていたけれど、ハッキリ言葉にされると、ものすごく恥ずかしいよ……。



それから数分歩き続け、私たちは最終チェックポイントの三日月湖の先端にたどり着いた。


この場所で、ゴロゴロ転がっている小石を積み上げ、石塔を作って証拠写真を写したら、肝試しのコースをクリアしたことになる。


石を踏みしめ、波打ち際近くに歩いて行くと、7〜8メートル離れた位置で、キャッキャとはしゃぐ声と、地面を照らすスマホライトの光が見えた。


敬太と絵留だと思い、真斗と一緒に近づいていく。


「敬太か?」

真斗が声をかけるが、「違うよ」と返事が返ってきてしまった。