こっちに近づいてきたのは、梨沙とテニス部の男子のペアだった。
梨沙はすかさず私の手を引いて、男子たちと少し距離を置いてから、小声で報告してくる。
「絵留とまだ出会ってないんだよ。かなりゆっくり進んでいるはずなのに、何でかな?
時々後ろを振り返って確認していたけど、ライトさえ見えないし……」
「邪魔できなくでゴメンね」と梨沙が謝るから、私は慌てて首を横に振った。
「私の方こそゴメン!
絵留のこと気にしてたら、梨沙が肝試しを楽しめなくなっちゃうのにね」
「それは大丈夫。ちゃんと楽しんでるから。
でも……絵留のヤツ、今どの辺にいるんだろう……」
梨沙は暗闇に目をこらすようにして、遠くをじっと見つめる。
私も同じ方向を見る。
スマホライトは確認できない。
梨沙と私の間にスタートしているから、前方のどこかにいるのは間違いないんだけど……。
私と梨沙がひそひそ話していると、真斗に呼ばれた。
「霞、先に進もうか」
「う、うん。梨沙、じゃあね」
私は真斗のもとに戻り、前へと歩き出す。
梨沙はテニス部の男子と、キャンプ場に向けて歩き去った。


