ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜




怒っちゃダメ、睨んじゃダメ、絵留なんて消えてしまえなんて……絶対に考えちゃダメなんだよ……。



絵留と敬太が出発して4分後に、私も真斗とスタートする。


プレハブの管理事務所の前を通り、その奥の公衆トイレ前を通過。


そこまでは外灯の明かりが届いて、足もとに不自由はしないですんだのだが、その先は真っ暗だった。


白っぽい小石がゴロゴロしている地面は、かなり歩きにくい。


スマホライトで足もとを照らし、ゆっくりと歩く。


急げば絵留と敬太に追い付くかもと、スタート前にチラリと考えてやめたが、これじゃ、どっちにしても急ぐのは無理だということが分かった。


ゆっくりゆっくり、気をつけて歩いていたのに、少し大きめの石につまづいて、私は転びそうになってしまう。


「あっ!」と声を上げたところで、真斗が私の腕を捕まえてくれて、転ばずにすんだ。


「ありがと。あー、怖かった」


ホッとしてそう言うと、真斗が笑った。