ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜




絵留はニコニコしていて、琴美はなぜか眉をハの字に傾けている。


絵留がみんなに説明した。


「くじを引くのは、女子だけね。
紙に男子の名前が書いてあるから、その人とペアだよ」


と言うことは、敬太とペアになれるかどうかは、私のくじ運次第。


絵留が折りたたまれた紙片がたくさん入った帽子を持って、女子の間を回って歩く。


私の順番は後の方に回ってきた。


先にくじを引いた女子達が男子の名前を呼んで、盛り上がっている。



「私は森口くんだって、よろしくね」

「お、おう……」

「何よ、文句ありそうな顔して」

「ちげーよ!」

「まぁまぁ、2人ともスタート前に喧嘩すんなよ」



賑やかな声をバックに、私の前には絵留が立つ。


「次は霞ね。ど・う・ぞ」

「う、うん」


心臓が忙しくドキドキと音を立てている。

お願い……敬太に当たって!

そう願って引いたくじには、真斗の名前が書かれていた。


絵留がクスリと笑って、真斗のいる方へ声を上げる。


「霞は真斗だよー!」