「霞が凹んでいたら、それこそ絵留の思うツボだよ。
ほら、笑ってよ。キャンプを楽しんで、敬太とも今までみたいに仲良くしていれば、絵留に負けることはないから。ね?」
「うん……そうだよね!」
梨沙のお陰で、何とか気持ちを立て直した。
絵留の作戦には引っかからないよ。
このキャンプを楽しんで、敬太との仲は、ゆっくり縮めていけばいいんだから。
夕食後はみんなで後片付けをしてから、花火をした。
時刻は19時半。
まだ空にはうっすらと明るさが残っていて、湖面もテントも、周りを囲む林の様子も見えている。
それから30分後、手持ち花火の最後の一本がなくなる頃にようやく、辺りは暗闇に包まれた。
キャンプ場の端と端に設置してある外灯が二本と、客達が持ち込んだランタンの明かり以外は、星と半月に頼るしかない。
それは、幻想的に美しいと言うよりは、少し怖い気がした。
住んでいる街はそれ程都会じゃないけれど、ここまで暗いことはない。
そんな中で「肝試しやろうぜ!」と言う声が、男子の中から上がった。


