すると絵留が、すかさず敬太に駆け寄った。
「敬太くん、お皿貸して?
私がよそってきてあげるよ」
「お、サンキュー絵留」
ふたりのやり取りを見て、梨沙が私の隣で舌打ちした。
「絵留のヤツ……。
今のは完全に、狙ってたって感じだよね」
「うん……」
絵留は鍋の方に移動して、敬太のための2杯目のカレーライスをお皿に盛る。
そして敬太の所へ戻ると、チラリと私の方へ視線を向けて、クスリと笑った。
その笑い方に私への優越的なものを感じて、私は負けたような気持ちになってしまう。
絵留は敬太にお皿を渡した後、琴美の隣には戻らずに、そのまま敬太の隣に座って自分の残りのカレーライスを食べ始めた。
やられた……。
私がやりたかったことを、先に絵留にやられてしまい、肩を落すしかなかった。
「私、負けちゃうのかな……」
思わずポツリと呟くと、梨沙は「そんなことないって!」と、力強く言ってくれた。


