「敬太くんは霞のものじゃないのに、怒るなんておかしいと思わない?
だいたい、霞はもうフラれてるんだから。じゃあね」
「ま、待ってよ、絵留!
私はまだ諦めたくないから、……」
「ムーリ。二度も振られるなんてカッコ悪いから諦めなよ。
それに、霞じゃ私に勝てっこないし」
「勝てっこない……?」
「うん! 私の方が可愛いもん。
私は敬太くんの自慢の彼女になれるけど、霞が彼女だなんて、きっと敬太くんは恥ずかしいと思うよ。
何その格好、ダサくて笑っちゃうよ」
唇を噛み締めるだけで、私は何も言い返せなかった。
確かに、絵留の方が可愛いと思う。
絵留はその難アリな性格を上手に隠しているから、みんなの目にはおっとりとした癒し系の可愛い女の子に見えていることだろう。
今日の服装だって、キャンプに相応しくない格好の絵留は浮いていると思ったけど、男子の目にどう映るのかを考えたら、間違えているのは私の方かもしれない。


