切った野菜が山盛りになっている大ザルを持ち上げることができなくて、絵留は甘えた声で敬太に言う。
「敬太くん、そっち持ってくれる?
二人で一緒に入れよ?」
「おう。せーの」
「わぁ、こぼれたよ!
敬太くんったら、力強すぎー、ふふふっ」
二人でザルから鍋に野菜を移すと、敬太と真斗がその鍋を持って、炊事場の屋根の下から出て行った。
絵留は琴美の腕を引っ張り、「行こう」と、敬太の後を追おうとしている。
何となく嫌そうな琴美を私たちから引き離して屋根の下から出たところで、絵留は思い直したようにひとりでこっちに戻ってきた。
「霞にハッキリ言っておくね。
このキャンプで、私、敬太くんのこと落とすから」
それは、絵留からの宣戦布告。
それを聞いて私は更にショックを受け、梨沙は隣で声を荒げた。
「ちょっと絵留、嫌がらせするのもいい加減にしなさいよ‼︎」
梨沙が本気で怒っても、絵留はダメージを受けないみたい。
私を真っ直ぐに見てにっこり笑い、こう言った。


