私と梨沙が笑い合っていると、佳奈ちゃんと他の女子2人が、お米と水の入った飯ごうを幾つも抱えて言った。
「男子たち、もう火起しできたかな?
飯ごうだけ、先にカマドに持っていっちゃうね」
「うん、お願い」
3人が炊事場から出て行くと、作業台には私と梨沙、絵留と琴美が残された。
急に気まずい空気が流れて、みんな無言になってしまう。
残っている野菜は、ほんの少し。
早く切り終えて、私もカマドの方に合流したい。
そんな気持ちで手を忙しく動かしていたら、絵留が急に話しかけてきた。
「ねぇ、霞」
「え……な、何?」
「敬太くんって、優しいよね。
テントを張っている時、怪我すんなよ、無理すんなよって、何度も私を心配してくれたんだ」
一瞬、嫉妬の気持ちが湧き上がってきたけれど、「ふーん」と言って、その話を流そうとした。
落ち着けと、自分に言い聞かせる。
こんな安っぽい作戦に引っかかっちゃダメ。
絵留はきっと、私を嫌な気持ちにさせて、キャンプを楽しめないようにしようとしているんだ。
絵留は敬太のことを好きなわけじゃないから、私のライバルではないし、だいたい、敬太は絵留のことをただのクラスメイトとしか思っていないはず。


