「でも、岬さん、ご結婚されるんですよね?」 私の一言が岬さんの顔に影を落とす。 「……そんな僕とじゃ、どこも出掛けたくない?」 「あ、いえ、そういう訳じゃなくて……」 「それなら決まりだ。来週の莉夏さんのお店が休みの日にしよう。どこか行きたいところとか考えておいて」 「えっ、あの……」 岬さんはそれだけ言い残すと、颯爽と運転席に戻ってしまった。 ブルンとエンジンをひとふかし。 あっという間に見えなくなったのだった。