「何でもない」 プイと顔を背けてルイより先を歩き出す。 いちいち構うことなんてないのだ。 こと、ルイに関しては。 「おい、待て。まずはこっちからだ」 「ちょっ、」 腕をグイと引かれて戻される。 「道順はあっちでしょ?」 看板の矢印だってあっちを示してる。 ルイに左前方を指さした。 「百獣の王からだ」 キッと目を鋭くさせる。 「……もう、好きにして」 きっと何を言っても無駄。 言い出したら他の意見は聞こえないのだ。 わざと大きくため息を吐いて、ルイに従ったのだった。