ふたりきりの図書室。 窓の外から、校庭で部活動してる音が紛れ込んでくる。 すぐ隣なのに、なんだかすごく遠い世界の音みたいに聞こえた。 昼の明るさと夕暮れ色が混じり合う空気が、向かい合うあたし達をじんわりと包みこんでいる。 ……ねえ、本気で言ってる? それとも、ただの冗談? からかってるだけなら、そんなこと、やめて欲しいんだけど。 そう思っていても、口には出せない。 だって 『ごめんごめん。冗談だから』 もし本当にそんな風に言われて、目の前で笑われちゃったら? あたし、傷ついちゃうよ。