「ふうん。意外と律儀なのね」


次の日。


琉生くんが家まで送ってくれたことを話すと、咲ちゃんは感心していたけど。


「あたしは認めた訳じゃないからね!」


「うっ……」


「だって、あいつはイベントから逃げて得するのに、美結にはなんの得もないでしょ?」


ニセカノなだけでも十分ラッキー、とも言えず。


「そ、そうだね……」


苦笑いする。