裏アリ王子の彼女になりました(ニセの)

「そ、それじゃあここで……」


ニセカノの役目はとりあえず終わったので。


あたしが帰ろうとすると。


「送ってく、家どこだ」


「…………は?」


な、なんで?


ポカンとして琉生くんを見上げると。


「は、じゃねえだろ。送ってくっつってんだから黙って送られろ!」


命令口調で言って、ひとりでズンズン歩いていく。