裏アリ王子の彼女になりました(ニセの)

それからあたしたちは、ざわめくギャラリーをどうにかやり過ごし、学校を出た。


「ホント、女ってうるせーのな」


途端に裏の顔になる琉生くん。


気怠そうにサラッと髪をかきあげた。


立っているだけでもカッコイイのに。


そんな仕草に、クラクラする。


琉生くんといると、寿命が縮まるかもしれない。


「……あの、どうしてこんなこと……」


「あ?」


「いきなり教室にきて、手、手、手をつないだり……」