裏アリ王子の彼女になりました(ニセの)

「あのっ…な、なにか用ですか……?」


「一緒に帰ろう」


……帰る?


琉生くんは、あたしの手をとって歩き出す。


えっ?


反射的に離そうとすると、グッとその手に力が入る。


るるる、琉生くん……?


握られた箇所が、熱を帯びていく。


鼓動は、狂ったようにさらに激しくなった。