――放課後。


教室の前がいつになく騒がしくなった。


クラスの女子たちも一斉に廊下へ飛び出していく。


あたしは特別気にもせず、帰ろうとカバンを肩に掛けると。


「わっ、来た来た」


咲ちゃんが化け物でも来たかのように見る先には……


えっ!?


琉生くん!?


背の高い琉生くんが、ドア枠に軽々と手をついて中を覗き込んでいた。