「ちょっと美結っ!どこ見て歩いてんの!」


すっ飛んできたのは、友達の咲(サキ)ちゃん。


あたしの手を引っ張って、教室の中まで連れて行ってくれる。


あたしとは違って、しっかり者のお姉さんタイプ。


「毎度毎度同じことばっかして~。おでこ赤くなってるじゃん!大丈夫?」


咲ちゃんは顔を心配してくれるけど、それどころじゃない。


「咲ちゃん!どうしようっ!」


あたしは咲ちゃんにしがみついた。