言われて初めて、自分の手元を見る。
さっき、耳に当てていた手をどけた時、そのまま無意識に握っていたらしい。
……は?いや、ちょっと待て。無意識?マジで?なんで?
「恥ずかしすぎる!!!今井くんかっこよすぎる!!なんでそんなにかっこいいの!ずっと手繋いでいたい!そしたら、私一生手洗わないんだけどな!!」
横で騒いでる石原さんの言葉が耳に入ってきて、若干引いた。
「手洗わない人と繋ぎたくないから離していい?」
とりあえずツッコミを入れながら手を離す。
でも、離した瞬間に少しだけ空気が変わった気がして、自分でもよく分からない感覚が残る。
今日の俺、やっぱりどっかおかしい。まだ熱があるせいかもしれない。
「えっ!それって!」
何か言いかける石原さんを軽く流して、「ほら、帰るよ」と前を向く。
だって、俺から石原さんの手を握るなんて、普通に考えてありえないし。
……なのに、さっきの感触が妙に残ってるのは、なんなんだよ。



