【大幅加筆】クール男子の取扱説明書




*



「由良帰るよ」


「中村今日は先帰ってて〜」


「なんで?」


「なんか、1人で帰りたい感じ」



放課後、教室に残る人もまばらになって、窓の外はすっかり夕方の色に染まっていた。

そんな中で中村に声をかけられたけど、私は少しだけ視線を逸らして、わざと軽い感じで断る。

本当は理由なんてちゃんとある。


だって――今井くん。

私、怒ってるんだからね!?あれから、ずーーっと無視しちゃってさぁ!!!


授業中も、休み時間も、何度か話しかけられそうな気配はあったのに、全部気づかないふりしてやり過ごした。

だってあんな中途半端に終わらせられたら、気になって仕方ないじゃん。

期待させるだけさせて、「なんでもない」とか、ほんと何それって感じだし。