【大幅加筆】クール男子の取扱説明書





「今井くんおはよう!!!!」



教室に入った瞬間、いつもの席に座っている姿が目に飛び込んできて、反射的に声が大きくなる。

昨日まであんなに苦しそうだったのに、ちゃんと学校に来てる。それだけで胸の奥が一気に軽くなって、安心と嬉しさがごちゃ混ぜになって溢れてくる。


もう、熱治ったんだね!!!!!と心の中で何度も叫びながら、つい顔がゆるむ。

挨拶の返事は返ってこないけど、まぁそれはいつものことだし!大丈夫大丈夫!

むしろ、そこが今井くんらしいというか、いつも通りで安心するポイントでもある。



「…………なぁ」



不意に聞こえた低い声に、一瞬思考が止まる。


あれ?今、今井くんの方から声聞こえた?いやいや、そんなわけない。

だって今井くんが自分から私に話しかけてくるなんて、そんな奇跡みたいなことある?

きっと空耳、うん絶対空耳。



そう結論づけて、とりあえず中村の方に行こうと体を向けた瞬間、



「おい、聞いてんの」



今度ははっきり聞こえて、背筋がピンと伸びる。



「おい、ブス」


「なっ!ブスはひどいよ、今井くん!!」



思わず振り返って反論すると、そこには確かに私を見ている今井くんがいて、心臓がドクンと大きく跳ねた。