「い、いいいいい石原です!」
「……石原さん?」
………………名前呼ばれたぁぁぁあ!!
「ね、ねねねね熱測ろ?」
「ん」
素直にうなずく今井くんに、さらにドキドキが加速する。
体温計を差し出すと、
「無理」
「はい?」
「……入れてくんない?」
「え」
入れてくんない?って、それってつまり――体温計を脇に!?
「今井くん、いいの!?」
「うん……」
いつもよりおとなしくて無防備な今井くんに、理性が試されている気がする。
「じゃあ、い、入れますね」
震える手で服を少しめくって、そっと体温計を脇に差し込む。
心臓の音が自分でもうるさいくらい響いている。
「…………っ……」
いや、今はそんなこと考えてる場合じゃない。
「今井くん、入れたから脇挟んで。動かないでね」
「はい……」
今日はやけに素直で、それがまた可愛くて困る。
「おかゆ作ってくるね」
と言って立ち上がり、背を向けた瞬間、────────────パシッと腕を掴まれた。


