【大幅加筆】クール男子の取扱説明書





流石に教室ではビシッと決めないとね!!浮かれてるところなんて絶対に見られたくないし、できればちゃんとした状態で「おはよう」って言いたい。


今井くんは、いつも私より早く教室にいるはずで、席に座って静かに過ごしている姿が簡単に想像できる。

中村が教室の扉に手をかけた瞬間、どくん、と心臓が大きく鳴った。



(いるよね……?)



そんなことを考えた次の瞬間には、扉が開くのと同時にほとんど反射で教室の中へ足を踏み入れていた。

視線は迷わず、一直線にあの席へ向かう。



「今井くん!おはっ………………」



言葉が途中で止まる。

そこにあるはずの姿が、なかった。

ぽっかりと空いた席が、やけに目立って見えて、一瞬何が起きたのか分からなくなる。



「どんまーーい」



背後から聞こえてきた軽い声に、じわっと苛立ちが込み上げる。


い、いいいいい今井くんがいない……!!