「普通、この状況で言う?」
まぁ……そうだけど。今しか言えなかったんだもん、私は今井くんをガン見して、全力でそう言った。
「ほんと……うざい」
「え、さっきの子にはごめんって言ったくせに……!!」
「別に、謝ってないだけでOKしてないから。邪魔。いつまで俺の上乗ってんの」
ガーーーン……。
私、泣きそう……でも、泣いたらめんどい女だと思われる。そこだけは避けたい。
「なー、それでー……」
すぐ近くの曲がり角から男子の声が聞こえる。
やばい、今、今井くんの上に乗ってるみたいな状態だ。
「くそっ……」
私は、今井くんの上に乗ってたはずなのに、あっという間に逆転。
クルッと今井くんが立たせてくれた。
次に起こることも、一瞬だった。
ダッッ!!
バンッッ!!
ドンッ!!
今井くんに手を引かれ、空き教室へ突入。
乱暴に扉を開け閉めして……そして、私に―――
「か、かか壁ドン!?」
「黙って」
人生初の壁ドンが、まさか今井くんからとは……。
鼻血出そう。ニヤニヤが止まらない。
「ニヤニヤしてんなバカ」
「しょ、しょうがないでしょ!!」
自然現象だよ、今井くん!
私はまたため息をつかれてしまう。
「好き」
「またかよ」
何度でも言う。
だから、早く私のことを好きになってください……。



