【大幅加筆】クール男子の取扱説明書





はい、と素直に返事をして今井くんを見ると、今井くんはふっと距離を縮めてきて、私の耳元に顔を寄せた。

その瞬間、心臓が跳ね上がる。



『明日、デートするから行く場所決めといて』



小さな声で、でもはっきりと届く言葉。

そしてそのまま、当たり前みたいに私の頭を撫でて、何事もなかったかのように廊下を歩いていく。その背中を見た瞬間、胸の奥から気持ちが溢れ出した。



「今井くん!大好きだぁぁあ!!!」



気づいたら叫んでいた。周りに誰がいるかなんて関係ない。

ただ、今この気持ちを伝えたくて仕方なかった。きっとこの階の人、みんなに聞こえただろうけど、それでもいい。だって、ちゃんと伝えたかったから。

私を選んでくれてありがとうって。

でも――やっぱり敵わない。



「俺も、好きだよ」



少し離れた場所から、ちゃんと聞こえるように、大きな声で返してくる今井くん。

前の今井くんなら、絶対にこんなことしなかったのに。本当にずるい。