「ただいまー!」
ドアを開けた瞬間、さっきまでの静かな空気とは違って、部屋の中の空気が一気にこちらに流れ込んでくる。
「遅いよ!2人とも!」
すでにトランプに飽きたのか、ベッドにだらしなく転がっている佐倉くんと野村くんが文句を言ってくる。
「買ってきたからとりあえず食べて」
今井くんが、何事もなかったかのように小さなテーブルに袋を置いた。その仕草が妙に自然で、さっきまでの出来事が夢みたいに感じる。
「え!これ、買ってきてくれたの、流石祐月」
佐倉くんが嬉しそうに袋を漁りながら言う。
「由良ちゃんもありがとー!」
佐倉くんに笑顔を向けられて、私も自然と笑い返して、そのまま近くのベッドに腰を下ろした。
「もう、10時だね」
何気なく時計を見ると、あっという間に時間が過ぎていて驚く。
「本当だ!早っ!」
隣に座った中村が大げさに反応する。
本当に、なんで楽しい時間ってこんなにも一瞬で過ぎてしまうんだろう。まだ全然足りないのに、もっとこの時間が続けばいいのにって思ってしまう。
「ねぇ、由良。もしかして、今井くんと何か進展あった?」
「私もそれ聞こうと思ってた!」
中村がニヤニヤした顔で詰め寄ってきて、のっちも興味津々な様子でこちらを見てくる。



