面倒くさいな、と思いながらも、これ以上引き止められるのも嫌で。
「今井祐月」
短くそれだけ言って、そのままレジへ向かう。
「ありがとうございましたー!」
会計を済ませて、袋を受け取ってコンビニを出る。
外に出た瞬間、少しひんやりした空気が肌に触れる。隣を見ると――石原さんの様子がおかしい。今にも泣き出しそうな顔。
「石原さん?どうしたの」
「私……最低だ」
ぽつりと落とされた言葉に、思わず眉をひそめる。何が最低なんだ。
「だって……今井くんはさっきの女の子を助けてあげただけなのに」
助けたなんて大げさだ。ただ取ってあげただけ。
「それなのに、私すぐヤキモチ焼いちゃうから」
そう言った瞬間、ぽろっと一粒涙がこぼれた。
その涙を見た瞬間、頭の中が一瞬止まる。
何だ、それ。そんなことで泣くのかよ。
でも――
「…………かわいいじゃん」
気づけば、そう口にしていた。



