エレベーターを降りて右に進むと、俺たちの部屋と女子の部屋が並んでいた。
そのまま流れで全員男子部屋に集まることになり、中に入ると想像以上に広い空間が広がっていた。
ベッドが五つ並んでいて、一つ余るくらいの余裕がある。
みんなそれぞれ好きな場所に座り始めて、自然とくつろいだ空気になる。
そんな中、野村がバッグからトランプを取り出した。
「トランプしよーぜ!」
「いいね、野村くん!」
すぐに石原さんが反応して、みんなで輪になって床に座る。
カードがシャッフルされて、パラパラと配られていく。
「ババ抜きでいいよね?」
「もう、配ってるじゃん」
小さく笑いが起きて、そのままゲームが始まる。
俺は特に得意でもないし、適当に流すつもりでいた。
「どっちでしょう!」
気づけば最後まで残っていたのは俺と石原さん。周りのみんなはすでに上がっていて、今ババを持っているのは明らかに石原さん。
ニヤニヤしながらカードを二枚差し出してくる。俺が左を触った瞬間、石原さんの顔がぱっと明るくなる。
右に手を伸ばすと、今にも泣きそうな顔。もう一度左に触れると笑顔、右に触れるとまた沈む。その分かりやすさに、思わず吹き出した。


